<1部:スピーカー紹介>

  • Oliver-Hallオリバーさんはコペンハーゲンキャパシティで技術投資(英国、EU、日本)の責任者として活躍されています。
  • Olof TedinオロフさんはInvest Skaneのビジネスデベロッパー、Tech担当です。

<2部:スピーカー紹介>

ハイテクなソリューションで市民活動の情報発信と参加関与に格差のない世界をつくるサービス

AIを通じて年収が平均以下の方々にキャリアアップへの助けを渡して応援している会社

  • Unwind Inc. / CEO, 橋本佳音 メンタルヘルスとカウンセリングなどを通じて知る機会の少ない女性のセックスライフの中の問題に向き合う会社
  • OSINTech/ CEO and Founder, 小田真人

各国政府や国際機関の発信するルールの兆し情報を一元化・可視化するサービス

農作物の収穫後損失(ポストハーベストロス)を解決する電源網に依存しないコールドチェーン(冷蔵物流網)を開発

<イベントレポート>

オリバーさんとオロフさんは、北欧エコシステムの豊富な経験と高い洞察を元にアドバイスをくれました。スタートアップ5社は、北欧の市場調査を通じて自身のフォーカスポイントから感じたことや学んだことを発表してくれました。 

イベントは2部構成で、第1部では、ゲストスピーカーが都市や大学に対して、あらゆる革新的なアイデアをサポートする存在になるよう呼びかけました。そうするとスタートアップを支援する環境ができ、神戸には投資家だけでなく、たくさんの方々が集まるようになることになるでしょうと応援してくれました。

オリバーさんは、NAVAという組織で、投資担当として活躍しています。彼が例えあげたエストニアは、すでにユニコーンを12社輩出し、一人当たりの成功率はシリコンバレーに次ぐ世界第2位という驚異的な数字を誇ります。エストニアと神戸は、ほぼ同じ面積と人口の都市であるという共通点から、神戸においても成功スタートアップが生まれる可能性が十分にあり、神戸の将来性にとても期待していると語ってくれました。エストニアのように創造性が豊かで優れた会社を生み出していく社会環境を構築していくために欠かせないものは、その地域の幸福度であると、オリバーさんは地域の幸福度と想像力がスタートアップの成功を後押ししていることが分かるグラフを見せながら解説してくれました。幸せな社会が創造性を育み、それがソーシャルイノベーションの重要な鍵となります。 これらのデータをもとにオリバーさんは北欧諸国の成功度は幸福度からなっているものだということ、そして幸せな国民が築く社会内のスタートアップに対しての支えや支持が成功のもととなっていると語りました。今、投資で人気があるのはスタートアップの中でもSDGsにもとづいていて、更に社会に役立つスタートアップたちです。それらはすべての投資の約1/3を占めています。それを見てわかるように成功するに必需なのは、自分の利益だけではなく社会または環境への影響と効果を視野に入れることの大切さです。社会課題に対するビジネスの貢献は必要不可欠になっています。若い世代の人たちには、もっと行動力をつけてほしい。誰かが見つけた社会課題に対して解決策を考えるのではなく、自らが行動し社会課題を発見することに挑戦してほしい、と、オリバーさんは参加者に対しての想いを伝えました。

オロフさんは、彼の都市Skåneのビフォーアフターから話を始めました。スコーネ市はかつて造船業が盛んな港町でしたが、経済が破綻し、造船業の収入源をITに置き換える必要に迫られ、大きく舵を切ったそうです。これが大成功を収め、現在では世界で最も成功した革新的な都市の1つとなっています。港湾都市として神戸にもスコーネから学べることは、変化をオープンに受け入れることだと語られていました。また、スコーネには十分なサポート体制が整っているということも重要なポイントとして挙げられていました。街全体として、定年退職した人が、街中でゴルフをするためのアプリのようなものが必要だと感じてスタートアップを始めることは珍しいことではありません。また、大学自体に補助的なサポートがあるため学生でも起業しようと動き出す例も少なくありません。大学ではメンターや資金を提供する部門があり、ゼロからスタートする生徒に必要な多くのものを提供してくれます。スコーネ市は、チャレンジや新しいことを奨励する雰囲気づくりに成功しているのです。また、エコシステムの中でつながりを持ち、信頼できるマインドセットを持つことの重要性を強調されました。失敗してもいいんです。しかし、本質的な部分は「ミスをどう処理するか」にかかっている、とオロフさんはメッセージをのこしてくれました。

第2部のトークセッションでは、日本のスタートアップの起業家が北欧諸国を訪問した際の報告セッションを含め、紹介と言葉の交換を行いました。ゲストスピーカーを交えた各スタートアップの皆さんからの経験をもとに発見された知見は、聴衆にスタートアップの知見と課題を生々しく、そして現在進行形で伝えてくれました。誰もが多くの興味深い要素を学び、社会をより良くするために、自分の信じることを行動に移し始めることを勧めてくれました。

清水義弘さんの会社「TAMEMA」は、孤独からくる幸せの機会の減少やチャンス創出などの問題に取り組んでいます。近くに住んでいる人同士が助け合えるようなプラットフォームを運営されています。このプラットフォームは、地域に助け合いの手とつながりが広まることを目的としています。 また、北欧では移民が社会に溶け込んでいることに驚きと感動を覚え、今の日本ではみかけない光景だと指摘してくれました。

株式会社コンパスの渡辺祥太郎さんは、生産年齢であるのうちの平均年収が平均以下のコミュニティが1/5と多くいることがあまり知られていないことを指摘しました。コンパス社は、年収200万円以下(平均600万円)の人たちの生活改善を支援している。コンパスはキャリアカウンセリングによるキャリアアップをはじめ、さまざまな解決策を提供している会社です。北欧のデータでは、誰もが幸せそうに見えるが、実はそうではない、、、移民の貧困や片親の問題など、根底から覆される問題が存在するということが現場にいると見えてきたという現場に行ってこそ見えてくる新たな事をシェアしてくれました。

アンワインドでは、主にカップルを対象に、性教育、コミュニティ形成、カウンセリングを行い、健康的な性生活を送るための学習機会や商品を提供しています。橋本佳音さんは、性教育など女性の性に関する日本のサイレントカルチャーに取り組むアンワインド株式会社の代表取締役です。性に関する話題にはバイアスがあり、女性が話したり学んだりすることが難しいのが現状なのです。 アンワインドでは、カップル間のコミュニケーションを促進し、カウンセリングも行っています。「アンワインドでは、カップルのコミュニケーションを促進し、カウンセリングも行っています。「コンフォートゾーンから出ることにチャレンジしてみてください。「海外に出て視野を広げよう」というのが、橋本さんのメッセージです。

OSINTech のCEOである小田真人さんは、テクノロジーを使った正確なトレンドや情報に基づいた、より包括的なルールやレギュレーションの必要性を感じていると述べました。OSIは、Open Source Intelligenceの略。OSINTechは、「RuleWatcher」というトレンドウォッチングプラットフォームを実現し、これからの時代に欠かせない様々なトピックのルール動向を検出する。このネットワークは、政府、国連関連団体、NGOなどの正当な情報源に基づいてデータ収集されています。OSINTechは、誰のために、どのように、どこまで、ということに基づいたルール作りという新しいアプローチを提案している会社です。小田さんは北欧の人間中心の教育が、環境問題を平均以上に真剣に考える大人を生んでいることに感銘を受けたと発表してくれました。また、国連代表のラジ氏の講演に参加する機会があり、「We need to do different things in different ways.」というスピーチから、持続可能な世界とシステムのために、人間一人ひとりのやり方を変えていく必要性を感じたそうです。課題は社会的義務などさまざまな形で存在しますが、変化が起きる事を信じつづけることが大切です。

KIVU Cold Group LTD, キブコールドグループ株式会社、ゼネラルマネージャー橋本琢朗さんの会社は、世界、特に農家に重くのしかかる農産物全体の30〜40%にのぼる収穫後のロスの解決策としてスタートしました。この会社は、収穫から消費者に届くまでの各段階で、効果的に廃棄物を削減することを目指しています。また、ヨーロッパからアフリカへの投資を得るための課題も強調されました。オリバー氏は、「北欧では、より近いところ、あるいは国内の機会を優先するため、優先順位の問題である」と述べられました。オリバー氏が述べたように、北欧諸国はより身近なところや国内の機会を優先せざるを得ないため、優先順位の高い問題であるので今回は残念だったと。しかし、それは彼らが興味を持っていないわけではなく、社会的な義務やリスクによるものであるとオリバーさんが励ましてくれました。橋本琢朗さんは、「1つの市場や国にとどまることは、より持続可能であり、経済が厳しい今、ビジネスを拡大することが今まで以上に必要になってくる」と、スタートアップの拡大を促す発言をしている。